「ちょっと世界のてっぺんまで」石川直樹


今回はわりと感想文みたいなブログなので面倒臭かったらスルーする事をオススメします。

最近「働けECD」以降エッセイみたいな本を良く読んでいます。
今回は先日のお休みの日に観てきた、石川直樹写真展「8848」@SCAI THE BATHHOUSEで購入した、その展示の旅行記ブログを一冊にまとめた本です。

「ちょっと世界のてっぺんまで」石川直樹

まず冒頭感じたのが、テンションが低く読んでて飽きそうな旅行記だなぁ退屈!って思ってしまいました。が、結果的にとても面白かったというか、なんか元気出ます。

話の中身はだいたい三部に別れていて、2011年1月〜3月頭あたりに高所順応の為にエベレストの中腹まで行き、一度日本に戻る前半部と、震災を体験しすぐに被災地へ行き、物資を独自に運んだりし、現地のリアルを報道(に近い行動ですね、当時はブログでアップしていたみたいでリアルな状況を把握、報告)し、実際に歩いて回る中盤部と、いよいよエベレスト頂上にアタックという後半の構成です。

石川さん自体が活字中毒と公言しているだけあり、表現力が高く、その場の空気感、緊張感がヒシヒシと感じてきます。新聞等にも書評を寄稿しているみたいです。元々カメラマンとしてしか石川さんを知らなかったので少し他の本も読んでみようと思いました。
しかも何より、頂上手前ののベースキャンプでさえ富士山より高い所にいながら、微弱な電波を頼りに、ブログを書き、mailを送受信し、仕事をこなす。これこそノマドワークって感じですね。

エベレストを登るっていうこと自体が、どんな行為かよく分かっていなかったのですが、コレを読むとその過酷さがヒシヒシと伝わります。登る為にはかなりたくさんの人間が関わっていて、サポートされていて、もちろんお金もかかるし、死ぬかもしれないって事。石川さんはコレらの人達に対する敬意をかなり表していて、伝わってきます。
特にスゴイのが「シェルパ」の存在。かなりの縁の下の力持ちですね。石川さんがこのシェルパに対する敬意が一番大きい気がします。
そして高度順応という準備が登頂するにあたり、かなりの重要度があるということ。

石川さんの文章に説得力を強く感じるのは、実際に自分の足で行動し、見て感じて伝えているということ。震災の際もすぐに現地入りし、独自に支援し、状況を俯瞰的に把握し、TVでは感じ取れない事を上手く伝える。なかなか出来ないですね。

何か新しいことに挑戦しようとしている人、何か自分を変えたいなぁと思っている人は、自己啓発系の本を読むよりは元気が出る気がします。
オススメ!

また根津に行く用事あるのでまたSCAI THE BATHHOUSEに観に行こうと思います。

石川直樹ハマリそうです。